水回りリフォームの時期、タイミングは何年?

日常生活で毎日使用する浴室や洗面所など水回りのリフォームは、いつ行えばよいのでしょうか。機能が故障したり、洗面台が割れてしまったりと目に見える劣化や汚れがわかれば、リフォーム時期の判断がつきますが、とくに問題がなければそのままでもよいかと思うのではないでしょうか。普段の生活で普通に使える上、掃除をしているから大丈夫と感じていても、見えない部分の劣化や腐食が進んでいることもあるので、耐用年数を目安にリフォームを考えてみましょう。浴室や洗面台の耐用年数は10~15年といわれています。耐用年数以上使っていて、劣化が激しい場合、リフォームに余計な修理費用がかかる可能性があるので注意が必要です。

ライフスタイルの変化の際も、水回りのリフォーム検討の時期です。お子さんが生まれたり、家族が増えたり、子どもが成長し家族の洗面所を使う時間帯が重なり、使いづらい時、介護が必要になる時などもリフォームのタイミングといえます。家族の生活スタイルに合わせたリフォームをすることで、見ためだけではなく設備もよくなり水回りの使い勝手が断然に上がります。長い目で見たときに本当に必要かどうかを考えてから、納得のいくように計画を立てましょう。

また、台所、洗面所、トイレ、風呂と水回りは同時にリフォームすることでメリットがあります。水回りの一部分が故障などをした場合のタイミングで、他の箇所も合わせたリフォームを検討してみてください。

浴室と洗面所をセットでリフォーム!そのメリットとは

水回りのリフォームは、同時にいくつかの工事を行うことでさまざまなメリットがあります。浴室と洗面所は、近い場所にあるのが一般的。セットでリフォームすれば、費用がおさえられるなど良い点が多く、おすすめです。ここからは、浴室と洗面所を同時にリフォームする3つのメリットをご紹介していきます。

メリット1:リフォーム費用を抑えられる

浴室と洗面所をセットでリフォームする最大のメリットは費用を安く抑えられるという点です。現場で、給排水管の工事や接続などは、単体でやるよりも同時に行う方が効率的で稼働時間もかかりません。また、最新のユニットバスは、現存の風呂場の扉を通らないケースがあり、そうなると壁を補修する必要がでてきます。隣にある洗面所のリフォームをするなら、同時に壁紙を変える工事が行えます。壁紙クロス工事は面積が広くなったとしても、費用の差がそれほどない場合が多いので、セットでリフォームしてしまった方がお得。ユニットバスと洗面台を両方購入すればその分割引ができるかもしれません。

メリット2:つぎのリフォームも同時期にやりやすい

浴室や洗面台の耐用年数は10~15年のため、同時にリフォームしておけば、つぎのリフォームが同時期になりやすいのもメリット。セットで工事を行えばその分費用も安くなるのでプランも立てやすくなりますよ。

メリット3:内装を合わせやすく、古い部分が目立たない

風呂のみまたは洗面化粧台のみというように単体でリフォームをしてしまうと、脱衣所や洗面所、浴室までの内装が合わせにくいです。一方、セットで水回りのリフォームを行えば、壁紙クロス、フロア、天井、ドアなどのテイストに統一感が生まれます。同時期に工事をしないと、壁紙などが最新のものに切り替わって、いざ同じものを張り替えたいと思っても廃盤になっているかもしれません。

また、浴室のみまたは洗面所のみをリニューアルしてしまうと、新しい部分よりも古い部分が際立ってみえてしまうことも。同時にリフォームを行えば、見た目も新築の様で気持ちよく使えるのもうれしいポイント。

浴室だけ、洗面所だけをリフォームしたときの費用相場は?

浴室だけ、洗面所だけをリフォームしたときの費用相場は実際にいくらになるのでしょうか。単体の価格を知ることで、浴室と洗面所をセットでリフォームした時にどの部分を、どのくらい費用の節約できるのか確認してみてください。

浴室だけをリフォームしたときの費用の基本

浴室リフォームをする際にかかる費用の内訳は、基本的に下記の一覧の通りです。

・仮設工事費

・浴槽の商品代

・工事費(既設浴槽の撤去工事、給排水工事、電気ダクト工事費、新設浴槽組立設置工事、入口、壁、枠材などの復旧工事)

・現場管理費などの諸経費

また、既存のお風呂からユニットバスにする、または在来工法の風呂のままでリフォームするのかなど、施工内容によっても価格に大きく違いがあります。下記の表は、施工内容ごとの、浴室リフォームの費用相場です。

施工内容費用相場
ユニットバス→新しいユニットバス60万円~130万円
在来浴室→新しいユニットバス70万円~150万円
在来浴室をそのままにして タイルなどをリフォーム45万円~
2023年8月現在

築年数や浴室、浴槽の状態により補修工事が発生するケースもありますので、あくまでも目安として考えてください。また、交換するユニットバスのグレードや製品の機能など、メーカーオプションによっても、それぞれの施工内容で金額がアップする可能性も。

在来浴室をそのままリフォームする場合、築年数が古いほどタイルの隙間から水が浸入し、壁や床が傷んでいるケースもあります。新しい下地にするという工事だけでも、15万円以上高くなる場合があることを理解しておきましょう。在来浴室はオーダーメイドでもあります。壁のパネル張替えやまたはタイル張替えは、強化プラスチックやタイル、人工大理石などの素材によっても価格が違います。

より快適に過ごすために、浴室に床暖房やミストサウナ、浴室テレビ、ジェット噴流などのオプション機能を追加するとさらに費用は高くなります。壁のデザインや色、質感にこだわりたい場合、その分価格も上がりますので、200万円ほどになることも。メーカーのショールームでは、ユニットバスのシリーズの展示より、オプション機能を実際に体験できるので必要な設備かどうかを確認してみましょう。

洗面所だけをリフォームしたときの費用の基本

洗面所だけをリフォームしたときの工事費用の内訳は、基本的に下記の内容となります。

・仮設工事費

・洗面台の商品代

・工事費(既設洗面台の撤去工事、給排水工事、電気ダクト工事費、新設洗面台組立設置工事、入口、壁、床、天井などの工事)

・現場管理費などの諸経費

洗面所のリフォームは、洗面台のみを交換する工事とその他壁クロスや床、キャビネットや照明器具の交換などの内装まで行う工事を行う方法があります。

まずは洗面台のみの費用相場を見ていきましょう。TOTO、リクシル、パナソニック、クリナップなどのメーカーには、ベーシックなグレードからハイグレードまでさまざまな洗面台の取り扱いがあります。グレード別に価格相場を見ていきます。

ベーシックグレード…最低限の機能がある洗面台

ミドルグレード…シンクが広めで収納があり化粧などもできる洗面台

ハイグレード…高級感のあるデザイン。シンクや収納スペースが広い

<洗面台の費用相場>

グレード費用相場
ベーシックグレード50~60cm5万円~13万円
75cm13万円~15万円
ミドルグレード60cm13万円~15万円
75cm15万円~18万円
ハイグレード75cm18万円~23万円
90cm23万円~28万円
2023年8月現在

洗面台には幅の種類があり、幅が広くなると、費用相場も上がります。設置スペースや用途によっても、使い勝手を考えて選ぶとよいですよ。

洗面台とともに壁クロスや床などの洗面台まわりの工事を追加するとさらに工事費用がかかります。

<洗面所まわりの工事費用の相場>

工事内容費用相場
壁紙張り替え工事(材料費込み)7千円~5万円
キャビネット設置工事2万円~8万円
床張り替え工事4万円~12万円
照明交換工事(蛍光灯→LED照明)1.3万円~2万円
2023年8月現在

壁紙は、種類や下地工事の内容、面積によっても価格に幅があります。最近では、汚れ防止、抗菌、消臭、防カビ、防水など機能がすぐれたクロスが販売されていて、金額に違いがあります。床張替え工事も同様で、下地工事の必要性や面積によっても、工事費用に幅があります。床をクッションフロアにする人も多く、その分価格は高くなります。洗面台周りの収納も便利なのでリフォームの際追加される方が多いです。キャビネットは、トールキャビネットやウォールキャビネットなど種類によっても金額に違いがあります。

水回り全体をリフォームする方が費用は抑えられる?

浴室と洗面所単体での費用相場をご紹介してきましたが、水回りの工事を同時に行うと、同じ時期に工事を行えるので、工事費用が抑えられます。給排水工事や、電気工事などは、まとめて職人さんが工事対応をできるので効率もよいです。浴室と洗面所だけではなく、キッチンやトイレなどの水回りも合わせて工事すれば、工事期間を調整しやすいこともあり、費用を抑えることが可能。

とくに、浴室や洗面所、脱衣所は隣接しているのが一般的な間取です。そのため、床や壁クロス工事を同時に行うことで、工事費が抑えられます。

浴室と洗面所をセットでリフォームしたときの工事期間は?

浴室と洗面所をセットでリフォームしたときの工事期間は、5日~7日ほどです。既存の浴室や洗面所の状態により、多少工事期間の日数が異なります。

<浴室と洗面所をセットでリフォームしたときの工事手順>

  • 浴室と洗面所の解体、撤去を同時に行う
  • 給排水の配管を設置
  • 浴室の土間コンクリートの打設工事
  • コンクリートが固まるまでの養生期間
  • 浴室のユニットバス設置やパネルまたはタイル工事など
  • 洗面所壁紙、床などの内装工事
  • 洗面台、キャビネット設置工事

水回りリフォームの費用を抑えたいなら知っておきたい補助金のこと

水回りのリフォーム工事を同時に行うことで、費用を抑えられることがわかりましたが、予算内に抑えられるか心配な方も少なくないと思います。費用を少しでも抑えるには、補助金を利用するのがおすすめです。補助金、助成金は早めに申請しましょう。理由は、予算を超えてしまうと申し込みが締め切りになる場合があるからです。

ここからは、浴室や洗面所などの水回りのリフォームで、申請可能な補助金を解説していきます。

各県市区町村の補助金・助成金事業

各県市町村では、浴室、洗面所のリフォームで申請できる補助金が用意されています。

長野県では「信州健康ゼロエネ住宅助成金」という制度があります。

住宅分野において、2050ゼロカーボンを実現するために、環境への負荷が少なく、高い断熱性を有し、県産木材を活用した住宅の新築工事や既存住宅の断熱性能を向上させるリフォーム工事をする際の費用の一部を助成する制度です。

浴室や洗面所などの水回りに関しても、助成金がもらえる可能性が。外気等に接する壁、床、天井または屋根の見付面積10平方メートル以上の部分や建具の断熱改修、床の段差や出入り口の幅の拡張、便器の取り替えなどのバリアフリーリフォームでも助成されます。

リフォーム工事の内容により、助成金の金額に違いはありますが、基本的に、総工事費の20%まで、最大100万円(健康省エネリフォームの場合は最大50万円)までの助成を受けられます。

各県市町村によって、補助金や助成金の対象者や対象のリフォーム工事に違いがありますので、担当窓口へ確認してみてください。

介護保険の活用

国や自治体では、住宅リフォームに関する支援制度があります。浴室や洗面所をバリアフリーにリフォームする場合には、国や自治体より補助金や助成金をもらえる可能性が。

厚生労働省のホームページには、「介護保険における住宅改修」について掲載されています。在宅介護を重視し、高齢者の自立を支援する観点からリフォームを保険給付の対象とされる制度です。介護保険における住宅改修の制度のメリットとしては、下記の点があげられます。

・自宅介護の金額の負担が減る

・介護が必要な高齢者が自立した生活をしやすくなる

・バリアフリーリフォームの費用負担が減る

介護保険における住宅改修
住宅改修の種類・手すりの取り付け ・段差の解消 ・滑り防止及び移動の円滑化等のための床、又は通路面の材料の変更 ・引き戸等への扉の取り替え ・洋式便器等への便器の取り替え ・その他住宅改修に付帯して必要となる住宅改修
支給限度基準額生涯20万円(要支援、要介護区分に関わらず)
保険給付原則9割(所得に応じて)
申請先市町村(まずはケアマネージャーに相談)
(2023年8月18日現在 厚生労働省ホームページより)

介護保険における住宅改修の申請を行うには、工事後に費用発生の事実がわかる領収書などの書類が必要です。施工業者へも補助金を申請する旨を伝え確認しましょう。補助金の情報は、まずは施工店に相談するのがベスト。リフォームへの費用負担の不安が解消されるはずです。

浴室と洗面所、トイレと水回りを同時にリフォームした施工事例

お風呂、洗面所、トイレをセットでのリフォーム計画をしているので見積もりをして欲しいというお客様からのご連絡により、リフォームプランが進みました。

お客様はモダンな住宅に住まわれていて、風呂、トイレ、洗面所にこだわりをお持ちで、提案の中からお客様自身でプランをお選びいただきました。ユニットではない浴室はタイル張り、洗面台は幅1800mmのサイズをセミオーダー。

今回、トイレにはlixilの調湿機能とにおいの原因物質を吸着させるエコカラットを使用。トイレ内はホワイトで統一し、床は古材風のPタイルで引き締めました。ひとつひとつが質のよいものです。

お客様の御高齢であるお父様のために、バリアフリーに。手すりは機能的かつデザイン性にすぐれたものをお選びいただきました。まるでホテルのようなシックな空間です。

人造大理石の天板と一体型の洗面ボウルを使用し高級感のある雰囲気に。トイレは引き戸に変更し、洗面所とトイレの段差をなくしました。洗面所と浴室は、段差がほとんどなく移動がしやすくなりました。

洗濯機の上部にも棚を設置し、収納も豊富に。

納品後は、お客様から、「イメージ以上の仕上がりになりました。洗面台が広いと使いやすくなり、トイレも引き戸で段差がなくなってよかったです」とおっしゃっていただきました。

(長野市 ハートホームズ長野 施工事例より)

浴室と洗面所をセットでリフォームは効率的でお得|まとめ

浴室と洗面所は、同時にリフォームした方がお得にできることがわかりました。改修を思い立ったら、ぜひ同時に施工店に見積もりを依頼してみてください。インターネットや電話などで、戸建てのリフォームについて無料で相談できます。検索のサイトでは、リフォームの概要や口コミ、よくある質問などからお役立ち情報を知ることもできるので利用してみるのもよいですよ。

水回りが一新した空間は快適で気持ちよく生活ができます。多数あるのでどの施工店がよいか悩んで探している方は、実績のある経験豊富な会社がおすすめ。気軽に相談できるのはもちろん、同時リフォームの不明点や詳細なども納得のいく提案があるはずです。自分にとって安心して暮らせる最適な住まいを実現しましょう。

ぜひこの記事を参考にしてみてくださいね。