中古住宅を購入と同時にリフォームするメリット

中古住宅を購入と同時にリフォームすることは、住み始めたあとにリフォームするよりメリットが多くあります。とくに資金面でお得になるケースが多いので知っておく価値がありますよ。ここからは、中古物件を購入と同時にリフォームするメリットを解説していきます。

住宅ローンに組み込むことができるので金利が安くなる

中古住宅を購入した際にリフォームすると、工事費用を住宅ローンに組み込むことができます。リフォーム単体では、リフォームローンを簡単に組むことができますが、金利が高くなる傾向に。住宅ローンは、リフォームローンに比べ低金利です。借入期間も長く設定できるので、無理なく月々の支払いができます。

住宅ローンとリフォームローンをダブルで組むよりも、住宅ローン1本でローンを組んだ方が総支払額を低く抑えられるはずです。

節税ができる

中古住宅購入と同時にリフォームを行えば、リフォーム費用も住宅ローンに組み込めるので、住宅ローン減税の対象となり、節税ができます。

住宅ローン減税とは、住宅ローンを借り入れて住宅の新築戸建て、取得または増改築をした場合、年末のローン残高の0.7%を所得税から最大13年間控除される制度です。無理のない負担で居住ニーズに応じた住宅を確保することを促進するためのものであります。(国土交通省ホームページより

住宅の性能により住宅ローン控除の対象の「借入限度額」が異なるのでチェックしましょう。

<中古住宅の住宅ローン減税>

 中古住宅住宅の環境性能借入限度額控除期間
長期優良住宅 低炭素住宅 ZEH水準省エネ 住宅 省エネ基準適合 住宅3000万 10年間
その他の住宅2000万

また、昭和56年12月31日以前に建築された中古住宅を購入した場合に住宅ローン現在を受けるためには、耐震基準適合証明書等の書類を用意しなければなりません。

補助金が利用できる

中古住宅購入と同時にリフォームを行う場合、補助金を申請できるのもメリットのひとつです。住宅ローン減税との併用も可能なので費用が抑えられます。補助金には、いくつかの種類があり、制度により取得方法に違いや注意点があるので事前にリフォーム会社に相談しておきましょう。

団体信用保険が使える

住宅ローンにリフォーム費を取り込むことができると、団体信用保険が使えるのもメリットです。団体信用保険とは、契約者に万が一のことがあったときは、保険で住宅ローンを完済されるというもの。家族や身の回りの人を守れる保険です。保険料は、住宅ローン金利の中に組み込まれているので追加で保険料を払う必要はありません。

中古住宅を購入と同時にリフォームする際の注意点

中古住宅を購入と同時にリフォームするには、とくに費用面でメリットが多くあることがわかりました。でも、リフォームする際には注意点があるので、前もって準備をしてから、プランニングしましょう。不明な点は、積極的に施工会社に相談しておきましょう。

リフォームで住宅ローン控除を受けるには条件がある

リフォームで住宅ローン控除を受けるには条件があります。中古住宅購入と同時にリフォームをする場合は、リフォーム工事が対象となる工事なのか、控除の要件を満たしているのかを確認する必要があります。

まずはどのようなリフォーム工事が控除の対象になるのかを見ていきましょう。

<住宅ローン控除の対象となるリフォーム工事>

増築、改築、建築基準法に規定する大規模な修繕または大規模の模様替えの工事
マンションなどの区分所有建物のうち、その人が区分所有する部分の床、階段または壁の過半について行う一定の修繕・模様替えの工事
家屋のうち居室、調理室、浴室、便所、洗面所、納戸、玄関または廊下の一室の床または壁の全部について行う修繕・模様替えの工事
建築基準法施行令の構造強度等に関する規定または地震に対する安全性に係る基準に適合させるための一定の修繕・模様替えの工事
一定のバリアフリー改修工事
一定の省エネ改修工事

上記の対象となるリフォーム工事の条件を満たした上で、控除の適用を受けるための要件があります。

<控除の適用を受けるための要件>

住宅の増改築等の日から6か月以内に居住の用に供していること。
この特別控除を受ける年分の12月31日まで引き続き居住の用に供していること。
特別控除を受ける年分の合計所得額が、3,000万円以下であること。
増改築等をした後の住宅の床面積が50平方メートル以上であり、かつ、床面積の2分の1以上を専ら自己の居住の用に供していること。
10年以上にわたり分割して返済する方法になっている増改築等のための一定の借入金または債務があること。
2軒以上の住宅を所有している場合には、主として居住の用に供すると認められる住宅であること。
自己が所有し、かつ、自己の居住の用に供する家屋について行う増改築等であること。
増改築等の額(その増改築等の費用に関し補助金等の交付を受ける場合はその額を控除した額)が100万円を超えており、その2分の1以上の額が自己の居住用部分の工事費用であること。

計画しているリフォーム工事が対象になるのか不明な点は、施工会社にしっかりと相談することが大切です。

住宅ローン控除の要件に合った中古住宅を探す必要がある

住宅ローンの控除を受けるには、購入した中古物件の築年数によっては、対象外になることがあります。購入する前に、要件に合った中古住宅であるか不動産会社によく確認しましょう。

まずは、建築後使用された住宅であることが条件となります。また、下記のいずれかの住宅に該当する住宅がローン控除の対象となります。

  1. 家屋が建築された日からその取得の日までの期間が20年以内であること。(マンションなどの耐火建築物の場合には25年以内)
  • 地震に対する安全上必要な構造方法にかんする技術的基準またはこれに準ずるもの。耐震基準に適合する建物であること。

3.平成26年4月1日以後に取得した中古住宅で、1と2に該当しない住宅で、取得日までに耐震改修を行うことについて申請をし、居住する日までに耐震改修工事により、家屋が耐震基準に適合することの証明がされたもの。

耐震基準については、プロの審査による書類が必要となりますので、事前準備が大切になります。築年数が古い物件は、価格が低く設定されていることも注意しましょう。価格が低いと住宅ローン控除における税金の節約ができなくなる可能性があります。国税庁のホームページに詳しい内容が記載されているので、自分でもチェックしてみるのをおすすめします。 (国税庁ホームページ

補助金申請は早めに行う

さまざまな補助金の種類がある中で、中古住宅の契約の前、リフォーム着工前に補助金申請をする必要があるものもあります。補助金制度は年度によっても内容が変わり、予算に達した場合は締め切りになることも。早めに準備をし、計画的に申請手続きを行いましょう。

中古住宅購入と同時にリフォームを成功させるポイント

中古物件を購入し、リフォーム工事を同時にする場合、税金面や補助金などメリットはありますが、「手続きが面倒なのでは」と不安になる人も少なくないはずです。ここからは、中古住宅を購入と同時にリフォームを成功させるポイントをご紹介します。

物件探しからリフォーム住宅ローンまで一括でできる施工会社を探す

物件探しから、売買契約、リフォーム工事の計画、申請とやることはたくさん。細かい手続きや工事についての疑問点などは、不動産会社やリフォーム会社に相談するのが大切です。物件探しからリフォーム、住宅ローンまで一括でできる施工会社であれば、担当者が一連の流れを把握しているのでスムーズに計画を進められます。サポートも安心できるはず。実績のある信頼できる施工会社を見つけることが必須です。

時間がかかるので早めのスケジュールを組む

中古物件購入と引き渡し、リフォームの内容を決めること、住宅ローンや補助金にいたるまで、手続きはもちろんリフォーム工事の内容も早めに決めていかなければなりません。中古物件はもともとの持ち主もいるため、売主の都合により物件を検討する期間も短くなる傾向も。よってかなりタイトなスケジュールとなるはずです。中古物件購入からリフォームの時期まで、早めに準備し、スケジュールを組むことが必要となります。

中古住宅購入とリフォームで申請できる補助金

中古住宅購入とリフォームで申請できる補助金はいくつかあります。住宅が事業の対象要件を満たしているか、対象工事であるかを補助金別にチェックすることが重要です。不明な点は施工店に確認して慎重に進めてください。

先進的窓リノベ事業

窓の断熱改修工事において補助金を申請できます。既存住宅における熱損失が大きい窓の断熱性能を高めることで、エネルギー価格高騰への対応やCO2排出量の削減、ZEH基準の水準の省エネ性能の確保への貢献を目的としています。

対象となる住宅既存住宅 集合住宅(二世帯住宅、マンション、長屋、店舗併用住宅を含む) リフォーム工事の工事請負契約日時点において、建築から1年が経過した住宅または過去に人が居住した住宅(現に人が居住している住宅を含む)をいいます。​
対象工事ガラス交換、内窓設置、外窓交換(カバー工法、はつり工法)
補助金額実施する補助対象工事の内容に応じて定額(一戸当たり、5万円から最大200万円まで補助)
事務局経済産業省、環境省
公式ホームページ先進的窓リノベ事業【公式】 (env.go.jp)

給湯器省エネ事業

高効率給湯器の導入支援のために、補助金を申請できる事業です。家庭のエネルギー消費で、給湯器が大きな割合をしめています。高効率給湯器の普及を拡大することで、2030年度におけるエネルギー需給の見通しの達成に寄与するためのものです。

対象となる住宅新築住宅、新築分譲住宅、既存住宅
対象工事高効率給湯器設置工事
補助金額導入する高効率給湯器に応じて定額を補助 家庭用燃料電池(エネファーム)15万円/台 電気ヒートポンプ・ガス瞬間式併用型給湯機
(ハイブリッド給湯機)5万円/台 ヒートポンプ給湯機(エコキュート)5万円/台
事務局経済産業省資源エネルギー庁
公式ホームページ給湯省エネ事業【公式】 (meti.go.jp)

長期優良住宅化リフォーム推進事業

既存住宅の長寿命化や省エネ化等を助ける性能向上のためのリフォームや、子育て世帯向け改修に対する支援を行う事業。

支援対象省エネ性能等を有する住宅(省エネ基準相当)への改修工事
補助金額補助率:1/3 限度額:一戸あたり100万円 ※長期優良住宅認定(増改築)認定を取得する場合は200万円
事務局国土交通省
公式ホームページ住宅:令和5年度 長期優良住宅化リフォーム推進事業 - 国土交通省 (mlit.go.jp)

次世代省エネ建材の実証支援事業

既存住宅において、省エネ改修の促進が期待される工期短縮可能な構成の断熱材や快適性向上を助ける蓄熱、調湿材の次世代省エネ建材の効果の実証を支援する目的の事業です。

対象となる住宅既存住宅(専用住宅のみ)
対象となる製品外壁及び外気に接する天井、屋根、最下階の床、基礎等に用いる断熱材及び窓・玄関ドア等の 開口部材 高効率換気システム SII公式ホームページに公表されている事業の登録製品 断熱パネル、潜熱蓄熱建材、調湿建材 未使用品に限る
補助金額補助率:対象補助経費の1/2 上限額は地域区分によるので、ホームページにて確認
事務局一般社団法人 環境共創イニシアチブ
公式ホームページSII:一般社団法人 環境共創イニシアチブ|トップページ

主に国の予算を財源とした補助金事業を紹介してきました。この他にも都道府県、市区町村ごとに、耐震性やバリアフリー化などの補助事業をしています。住まいのエリアで、どのような補助事業を受けられるのか、施工会社に確認しましょう。

地方公共団体における住宅リフォームに係る支援制度検索サイトもあります。市町村単位でも、リフォームに係る補助金が検索できるので、探してみてください。

一般社団法人 住宅リフォーム推進協議会ホームページ

地方公共団体における住宅リフォーム支援制度検索サイト (j-reform.com)

購入した中古住宅の断熱性能を上げて省エネを実現した施工実例

購入した中古住宅の断熱性能を上げて、省エネを実現したリノベーション事例です。

もともとは、台所から居間に行くには、一度廊下を通っていくようなつくりになっていました。断熱材が入っていないため、家の中の温度差を極端に感じる間取りに。台所の隣の和室をリビングにして、台所との行き来をスムーズになるようにしました。

断熱材をしっかりと入れることで、家全体が暖かくなるように。水回りも一新して、タイルのお風呂を断熱の効いたユニットバスに取替えました。キッチンは自動給湯・IHのシステムキッチンに。
サッシは断熱樹脂ペアガラスのサッシに取替え、玄関ドアも断熱性の高いものに取り替えました。お客様からは「住んでみて、本当に暖かくて過ごしやすい家になりました。」と感想をいただきました。

(長野市 ハートホームズ長野 施工事例より)

ワンストップリフォームでスムーズに計画を立てよう|まとめ

今回は、中古住宅購入と同時にリフォームする時のメリットやポイントをご紹介しました。「物件探し」「リフォーム」「ローン手続き」「補助金」を同時に行うのは、それぞれ非常に手間のかかることです。でも、節税や補助金など諸費用がかからないのは大きく、計画を進めていく安心材料になります。

事前に下準備や調査を行い、物件探しからリフォーム、住宅ローンまで一括でできるワンストップの施工会社を見つけることで、スムーズな流れでプランニングできるはずです。インターネットから、施工会社のホームページを探して無料カタログを請求依頼したり、リフォームの概要を問い合わせたりして、情報集めをするのがおすすめです。口コミやお役立ちコラム、関連資料からも、最新の情報を集めることができますよ。

この記事を参考に希望のリフォームを計画し、理想の住まいを実現していただけたらうれしいです。